第24回 遺留分(2)~遺留分の権利者、割合など

 前回は、遺留分の制度とは?という基本をお話ししました。

 今回は、「遺留分は誰がもっているのか?」と、「遺留分の割合はどうなっているのか?」について解説します。

1 遺留分権利者

(1) 遺留分を有しているのは「兄弟姉妹以外の相続人」です。
 つまり、配偶者、子、直系尊属(父母、祖父母など)です。兄弟姉妹には遺留分はありません。

(2) 相続欠格者・被廃除者・相続放棄者には遺留分権はない。

(3) 胎児も、生きて生まれれば、子としての遺留分権を持つとされています(民法886条)。

(4) 子の代襲相続人(子が既になくなっている場合の孫など)も遺留分権があります。


2 遺留分の割合はどうなっているのか?

(1) 総体的遺留分
(遺留分権利者全体に留保される割合)

  分かりにくいですが、遺産全体の何割が「遺留分」(誰の遺留分かは別として、誰かの遺留分という意味)になるか、という割合は次のように決まっています。

民法1028条

     直系尊属(父母、祖父母など)のみが相続人である場合
                    -被相続人の財産の1/3が遺留分

それ以外の場合(妻や子がいる場合、こちらのほうがケースとして多い)
                    -被相続人の財産の1/2が遺留分

(2) 個別的遺留分

遺留分権利者個々人に留保された相続財産上の持分的割合はつぎのようになります。
  参考図書に載っている例を引用して説明します。 

【参考図書に載っているケース 引用】
Aには妻Wと子X・Y・Zがいる。 F
X・YはAの嫡出子であるが,Zは 遺贈 A─┬─ W
婚外子である(Aによる認知ずみ)。 │
Aは,妻子と離れ,F女(Zの母で ┌┴─┐ 
はない)のもとに走り,「遺産の全部を Z │ │
Fに譲る」との遺言を残して死亡した。 婚外子 X Y
(認知)
  
Q1 この場合の遺留分権利者は?
             WとZ、X、Yです。


Q2 総体的遺留分は?
           妻や子がいるケースなので、相続財産全体の1/2です。


Q3 それぞれの個別的遺留分は?

           Q2の「1/2」をさらに、法定相続分の割合で分けます。

          法定相続分はW1/2 XとYは1/5ずつ、 Zは1/10です。
          (憲法の禁止する差別ではないか?という問題がありますが、民法の規定では、婚外子は嫡出子の1/2の相続分となっています)。

       その結果、

          Wの遺留分 1/2 × 1/2 = 1/4
          XとYの遺留分それぞれ    
            1/2 × 1/5 = 1/10
          Zの遺留分
                1/2 × 1/10= 1/20

       となります(どれも相続財産に対する割合)。   

(3) 寄与分は考慮されないとされています。

(4) 遺留分を、遺言などによって指定することは認められません。

文 弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所
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by hideki1975da | 2012-03-02 17:56


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