第4回 相続人① 総論~胎児、代襲相続

1 相続人は、法律(民法)で定められています。
  勝手に、「○○さんを相続人にする」という風に決める事は出来ません。

2 被相続人・相続人の「同時存在の原則」

  被相続人が死亡した際に、存在している(生きている)人しか相続人になれない、というのが原則です。

  ただし、これには2つの例外があり

  ① 胎児の場合
  ② 代襲相続がなされる場合

 というのがあります。それを以下に説明します。

3 胎児の場合

  ケース1   
 
  Aさんが死亡した場合の相続の問題。
  そのとき、妻Wさんがおり、Wさんのお腹の中に子Xがいた(胎児)場合、どうなるでしょうか。


  この場合、Xさんはまだ生まれていないのですが、「相続の場合は胎児を生まれたものとみなす」(民法886条1項)という規定があり、Xさんも相続人になれます。

  ですので、妻Wと子Xが、亡くなったA(の財産など)を相続するということになります。

  ただし、「胎児が死体で生まれたとき」つまり死産のときは、相続できないことになります(民法886条2項)

4 代襲相続の場合

  ケース2

  Aには,子X・Yがいた。
しかし,Xは,その子Kを残して既に死亡している。
この状況でAが死亡した。

  
  この場合誰が相続人になるか、という問題です。

  本来は、2人の子(X、Y)が相続人になるのです。
  しかし、そのうち1人(X)は、親であるAよりも先に亡くなっているので相続できないかのように思えます。
  
  それでも、Xの子がいる場合は、本当はXは相続できないのが原則(同時存在の原則)だけれども、Xの子(孫K)がXにかわって相続できることが民法で決められています。

  これを「代襲相続」といいます。

  以下は、少し細かい話になります。(現時点で、分かりにくい方は読み飛ばして頂いて結構です。)

・ 上のケースで、Xが既に死亡している場合の他、「廃除」「欠格」の場合も同様に代襲相続できる。
・ しかし、Xが相続放棄した場合は、代襲相続は生じない。
・ 代襲相続は、被代襲者(もともとの相続人)の子のみできる。配偶者は代襲相続できない。
・ 養子縁組が関係する場合には注意が必要です。
→ 養子縁組後の子   代襲できる
養子縁組前の子   代襲できない
(民887条2項但書 「被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」を適用した結果、こうなります。) 
・ 再代襲相続
          子も孫も死亡しており、ひ孫が生存している場合→代襲相続できます。
            (直系卑属の場合、ひ孫、やしゃご・・・どこまでも)
          兄弟姉妹に対する代襲相続もありますが、「甥」「姪」止まり。
                 「大甥」「大姪」        →×
          但し、この点は、法改正が関係しており、相続の開始が1981年1月1日より前か以降かで結論が異なります(現在は、「甥」「姪」までしか代襲相続できません)。



  
               文 弁護士 村上英樹(神戸シーサイド法律事務所
by hideki1975da | 2011-09-27 17:04


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